超新星のユナクが日本映画単独初主演を果たした小池真理子原作の映画『無花果の森』が6月14日(土)に公開初日を迎えました。この日、シネマート新宿で初日舞台挨拶が行われ、主演のユナク(超新星)、原田夏希、MiNo、古厩智之監督が登壇し、撮影のエピソードなどを披露。楽しいトークに会場は終始笑いに包まれていました。


Q:今回、超新星から一人飛び出して単独主演となりましたが、いかがでしたか?
ユナク:以前から日本の映画は好きだったので、『無花果の森』の台本をいただいた時はとても嬉しかったです。内容としてはちょっと悩んだんですけど、監督さんといろいろお話してからは信じることができて、頑張ることができました。とてもいい作品だと思うし、光栄です。


Q:不安だったことなどはありますか?
ユナク:不安、いっぱいありました(笑)。全てが日本語だったので発音は勉強して努力もしたし、僕自身よりちょっとだけ年上の役だったので、感情とか記者の気持ちってどうなんだろうと思って韓国の記者さんといろいろ話したり悩みを教えてもらったりしました。夏希さんとの絡みもあって、アイドルとしてどうなの?と…まあ年はアイドルじゃないけど(会場からは笑いのあと大きな拍手が!)、アイドルとしてどうすればいいか悩んだり、事務所と相談したのですが、監督から「良い作品になるので信じてください」と言われたので、信じてやりました。
Q:確かにセリフの中には日本人でも使わないような難しい日本語もたくさんありましたね。
ユナク:はい、いっぱいありました。


Q:原田さんはユナクさんと共演されていかがでしたか?
原田:私も外国人の方とお芝居をするのは初めてでした。最初にお会いした時にセリフの読み合わせをしたのですが、日本人でも使わないような言葉が多く、私たちでも難しい、感情とは関係ない状況や生い立ちを説明するようなセリフを母国語ではない言葉でお芝居するのはすごいことだと思うし、違う言葉を話しながら演技ができるというのは役者としてうらやましいと思いました。


Q:MiNoさんはエンディングテーマを歌われ、映画にも出演されていますね。いかがでしたか?
MiNo:主題歌を歌わせていただくことになり、光栄で胸がいっぱいです。撮影中はユナクさんが演技の指導をしてくださり、さすが「オッパはやさしいな」と思いました。
ユナク:指導までは…はい、ハッハッハッハ。


Q:監督、ユナクさんと原田さんの印象を教えていただけますか?
監督:ユナクが先ほど、僕が「良い作品になるから信じてください」と言ったと言っていましたけど…ま、確かに言いましたけど(笑)、その前まで全然良い映画になるか本当はわかってなくて、わかっているふりしてユナクに会いに行きました。(会場大爆笑)会ってみたらユナクはすごくいい奴で、熱意があったんです。実はそれまではセリフも多いし、不倫ぽい内容もあるので不安だったんです。でも会った日に「コイツならできる!」と思い、「信じてください」と言えたんです。役柄もいい所をもらっちゃおうと思ってユナクにどんどん近づけていった感じです。
Q:ご本人のキャラクターを役作りに生かすということはよくあることなんですか?
監督:もちろんありますが、今回はすごく多かったです。ユナクとヨンホがリンクしているところがいっぱいあると思います(笑)。原田さんは最初にお会いした時には明るくて聡明な印象を受けたのですが、実は演じるのは暗い役なんです。だからどうかなぁと心配していたら見事に暗くて。(会場大爆笑)心を失くしてしまった様子をとてもうまく表現してくれてよかったなと思います。



Q:演じていて一番大変だったところを、ネタバレしない程度にお願いします(笑)
ユナク:ふふふ。どう言えばいいんですかね。ネタバレしないで大変だったところは…うーん、ネタバレしないで…大変だったというか、すごくいい経験だったのですが、韓国の映画やドラマでは長回し(切れ目なしに長時間カメラを回し続けること)がないんです。感情を保ったままセリフを言えるので、日本の映画は長回しが多いのですが、今回もほとんど長回しで、すごく勉強にもなったし、やっと日本の映画に出たなという気持ちにもなってもっと頑張れました。ネタバレはできないけど、僕は泉さん(原田夏希)との電話シーンがよかったと思うので、それに注目してください。


Q:監督から暗い役なのに見事に演じきったというお話しがありましたが、原田さんは演じてみて難しいと思われましたか?
原田:いえ、最初に監督にお会いした時に「泉はこういう感じだよ」とコンテを見せてくださって、わかりやすくディレクションしてくださいました。私だけに限らず、ユナクさんが演じられたヨンホさんや他のキャラクターも何か事情を抱えて闇の中で生きて来た人たちがいろいろなことをきっかけに、自分の足で立って前へ踏み出そうとしていく物語だと思います。辛い状況ではあるけれど新たに一歩踏み出そうという気持ちは誰にでも共感してもらえると思うので、皆さんにぜひ楽しんでいただけたらと思います。


Q:現場でユナクさんのおもしろいエピソードを教えてください。
監督:そうですね…でもだいたいおもしろいんですよ。ああ、そうだ。これユナクがしたことじゃないんですけど、なんかすごくいいニオイなんですよ。ユナク、すいませんね、ホント(笑)。コロンとかそういうのもあると思うんですけど、最初に会った時に、「ああ、何ていいニオイなんだ~」って思って。(会場からは笑いと大きな拍手!)匂いってちょっとドキドキするんですよね。それで「いや、僕はそんなんじゃない」と思ったんですけど、二回目に会った時もやっぱりいいニオイで…はい、ドキドキしました(笑)
Q:匂いって大事なんですね。
監督:大事ですよ。嫌味じゃない、さわやかなんだけど…ちょっとこう…ちょっとこう…
Q:「ちょっと」なんですか?(笑)
監督:ああ、なんだか不思議な気持ちが(笑)(会場大爆笑)



原田:(ユナクは)いつも甘い物を食べているイメージです。パンやジュース、お菓子を食べていて、こんなにいっぱい甘い物を食べているのに細いんだなと思ってびっくりしました。本当に監督がおっしゃったみたいに、面白い行動もたくさんしていたので現場はとても和やかでした。
MiNo:どこでも「ハハハ」と笑う所がチャーミングだなと思いました。
Q:それは苦笑いの時ですよね?
ユナク:そうですね。いろんな「ハハハ」の種類があるんですけど、『無花果の森』の時は結構気まずい感じで、MiNoさんとは撮影の時は一回しか会わなかったので、「ハッハッハッハッハ、おはよう」って感じです。会話する時も「ハッハッハ、そうだね」って感じでした。僕と同じグループのソンジェくんといつも「ハハハ」って二人でやってるんですけど、ソンジェくんの方がおもしろいですね(笑)
Q:ワールドカップが始まります。サッカーはご覧になりますか?
ユナク:そうですね。眠れない夜が続きますけど、ワールドカップは全世界のお祭りみたいなものだから僕も興味を持ってます。今回はアジアが上位にランキングされたらいいなと思います。アジアは強いよって言いたいし、韓国も日本も上位にランキングされて嬉しいな!って気持ちで終わればいいですね。はい、頑張ってください!


最後の挨拶
監督:ユナクに会って安心して、バンバンセリフを増やしちゃったんです。おもしろいから経歴もユナクと同じ名古屋に留学してたことにしようって。なんかいい奴だったから(笑)。そのいい奴なところが伝わるといいなと思って役柄をどんどんユナクに近づけていきました。でももしかするとユナク本来の一番いい所を知っているのは皆さんかもしれないですね。それに近づいていたらいいなと思います。原田さんに任せちゃったりもして、みんなの力で作った映画なので、多くの方に観てもらえたら嬉しいです。よろしくお願いします。
MiNo:今回は映画『無花果の森』の主題歌を歌わせていただくことになりました。ありがとうございます。皆さんはユナクさんのことが大好きだと思います。主題歌の「ジュエリーボックス」には「大好きだった」という歌詞があるので、ユナクさんを思いながら聴いていただけたらと思います。
原田:私自身もこの映画を観ていろいろと考えさせられました。人生はいろんな小さなことの選択の連続だと思っています。小さなことだけど、その決断の積み重ねが毎日になっていくと思います。自分で考えて決断して進んで行くことがどれだけ大事かということをこの映画から教えてもらったような気がします。ここにいらっしゃる皆さんも毎日を丁寧に生きていらっしゃると思うので、この映画を何回も観て楽しんでいただけたら嬉しいです。
ユナク:今回、日本のすばらしいスタッフ、監督、女優さんや俳優さんとこんなにすばらしい映画を撮影できてすごく嬉しいし、これからも機会があればまたやりたいと思っています。とても勉強になった作品です。本当に感謝しています。ここにいらっしゃった皆さんにも感謝しています。興味を持ってくれた記者さんにも感謝してます。もっともっと頑張って“いい奴”になりたいと思います。今日は本当にありがとうございました。楽しんでください。

『無花果の森』
6月14日(土)シネマート新宿ほか全国順次ロードショー!
出演:ユナク(超新星)、原田夏希、三浦誠己、徳井優、木下ほうか、MiNo、瀬戸早妃、かでなれおん、名高達男、江波杏子
プロデューサー:丹波多聞アンドリウ
監督:古厩智之
原作:小池真理子「無花果の森」(平成23年度芸術選奨文化科学大臣賞受賞)(日本経済新聞社・刊)
主題歌:「ジュエリーボックス」MiNo
特別協賛:VanaH(株)
制作:(株)アタデューラ
配給:BS-TBS
オフィシャルHP: http://www.bs-tbs.co.jp/ichijiku/
コピーライトマーク2014『無花果の森』製作委員会2014年/日本映画/カラー/ビスタサイズ/ステレオ/98分