2019 年 10 ⽉ 27 ⽇。季節は冬の⼊り⼝に差し掛かり、少し肌寒い中迎えた『ONEWE JAPAN SPECIAL MINI LIVE ~Regulus~』。会場の LUMINE 0 は満席で、外の寒さとは裏腹に場内はファンの期待で温度が⾼まる。

開演時間、暗闇の中に浮かび上がるハリンのドラムスティック。それが動き出した時、『ピアスが僕をぶつように』の前奏が始まる。たった⼀⼈を照らすスポットライトの下、キアが会場に囁くように歌い始めた。バックスクリーンには⾦⾊の紙吹雪が舞う。サビで⼀気に⼒強いサウンドへと移り変わり、1 曲⽬から激しいパフォーマンスを披露。ヘッドバンギングで会場を盛り上げた。曲が 2 コーラス⽬に⼊るとヨンフンのパートに⼊り、バンドの要となるメインボーカルを務める彼の歌声はやはり響き⽅が違う。会場もその歌唱⼒に息を呑む。2 度⽬のサビで⼀体感が増し、これこそが“ライブ”だと感じられる程の熱気に⿃肌が⽴つ。楽曲の終盤では 1 曲⽬にも関わらず、惜しむことなくギターを歌わせるカンヒョン。普段聴くことのできないオリジナルアレンジに、ファンも五感を集中させた。

ドンミョンのキーボードで始まった 2 曲⽬。何かが始まる予感のする前奏に、ハリンのドラムでリズムが加わり疾⾛感が⾼まる。カンヒョンのギターが鳴り始めると ONEWE らしいサウンドに。洋楽のカバー曲にもキアのオリジナルラップが⼊ると、まるで最初から彼らの楽曲であったかのように仕上がる。ベース⾳が際⽴ち、原曲よりもメリハリのある印象を受ける。馴染み深いサウンドが、ONEWE なりのトップラインに変えられ、現代的な映像とアレンジの中にどこか幻想的な雰囲気も醸し出される。後半、カンヒョンの指さばきにファンが⾒惚れる中、ヨンフンのフェイクに合わせてエレキギターも叫ぶ。これこそがプロだと、実⼒を魅せつけ会場を曲の世界に引き込んだまま 2 曲⽬が終了した。

「こんにちは!僕たちは ONEWE です!」元気よくスタートした最初のMC。ヨンフン「久しぶりに ONEWE が⽇本にやって来ました!2 枚⽬のインディーズシングル発売を記念して⽇本で公演することとなり、今まで緊張しながら沢⼭準備して来ました!」カンヒョン「ここまで⾜を運んで下さり感謝しています。⽇本に来て約⼀週間もの間、イベントからライブまで沢⼭⾜を運んで下さっている⽅々の顔が、忘れられません!」ヨンフン「皆さんの為にしっかり準備して来たので期待して下さい!最後までハッピーな時間を過ごして頂けたら嬉しいです!」ハリン「皆さん沢⼭遊んで下さいね!」ドンミョン「今⽇も僕たちと⼀緒に燃えて下さい!」キア「今⽇は綺麗に⾒せようと、ネイルもヘアスプレーもして来ました!最後までこの努⼒を認めて、楽しんで頂きたいです!」

MC に続いて披露したのは『公私混同』。MC で⾒せた無邪気な明るい雰囲気のまま、メンバー全員が笑顔でスタート。ショルダーキーボードに持ち替えたドンミョンがステージの最前に座りファンと⽬線を合わせる。普段よりもリズミカルに歌うドンミョン。オフィシャルグッズの LED ライトブレスをつけたファンの⼿も⾃然とリズムを刻む。⽇本デビューからもうすぐで 5 ヶ⽉となる彼らは、どんどん⽇本語の発⾳が上達し、以前よりも歌詞の内容が⾃然と⼊ってくるように感じる。会場に集まったファンはそんな彼らと⼀緒に⼝ずさむ。その姿を幸せそうな表情で⾒つめるメンバーを⾒て、⾳楽には国籍や⾔語の壁を超えて⼈の⼼を繋げる⼒があ ることを改めて実感した。

次に披露したのは『Actor』。ノリやすいテンポと爽 やかなサウンドで会場に爽快な⾵が吹く。レトロな バックスクリーンとカラフルな照明に、現実を忘れ て前向きな気持ちになれる。1 コーラス⽬でキアのベースがクールに響き、2 コーラス⽬ではカンヒョンのギター⾳が際⽴つなど、⼀⼈⼀⼈の才能が開花され るステージであった。⾚い照明で⼀気に雰囲気が変 わり、低いベース⾳と重いドラム⾳が胸の深いとこ ろで響く。⼀つ⼀つの楽器が歌い、ハーモニーを奏で、ヨンフンとドンミョンの歌声も綺麗に重なり合っていた。カバー曲で妖艶なステージを披露し、ONEWE の新たな⼀⾯を⾒せた。

2 度⽬のMC では先程披露した『Actor』の話題に。『Actor』は今回のライブのために新しく、よりバンドらしくアレンジしたそう。担当したのは、メンバーから天才プロ編曲家との呼び声が⾼いカンヒョン。試⾏錯誤する姿を⽬撃したというヨンフンは「深夜にベースを弾いていたんですよ。アレンジしてました。なんとキアのベースで!」とエピソードを披露。キア「⾒たらヘッドが曲がっていて修理に出しました…。」カンヒョン「ごめんね…。」ライブでしか聞けない貴重なエピソードにファンも嬉しそうだ。ヨンフン「次に披露する『Feeling Good』は皆さんにも⼀緒に歌って欲しいところがあります! ラップのところなんですけど、ちょっと練習してみましよう!」⼀発で成功し、早速次のステージへ。

序盤から掛け声が上がる『Feeling Good』。練習の甲斐あって本番の掛け声も⼤成功。掛け声の中、キアも楽しそうにラップを披露した。ヨンフンの⽢い歌声とカンヒョンの滑らかなギターサウンドで、会場はお洒落なカフェのよう。その雰囲気のままゆったりとしたテンポでスタートした『Love Me』。バックスクリーンにはハートが舞う。キーボードの優しい⾳⾊が曲に花を添える。ファンもロマンチックな世界観に酔いしれた。

⽇本デビュー曲の『Reminisce about All』では出だしからメンバーの集中⼒が伝わってくる。ドンミョンの繊細なキーボードと、ヨンフンの感傷的な歌声に、聴いている⼈全てが『Reminisce about All』の主⼈公になる。ユニゾンで響き合う⼆⼈の歌声は、胸にしっかりと歌詞を刻んでいく。カンヒョンのギターがアコースティックギターに変わり、優しい⾳⾊を奏でる。ヨンフンの⾼⾳は、まるで泣いているかのように響き渡り、最後は⾃分⾃⾝に⾔い聞かせるように歌い上げた。

10 ⽉ 25 ⽇にリリースしたばかりの⽇本で 2 枚⽬のインディーズシングル『Regulus』。エレキギターに持ち替えたカンヒョンのアルペジオから始まる。ラップ中に鳴るキーボードのトップライン、サビで鳴るギターのトップライン、声と楽器がそれぞれ違った歌い⽅をして⼀つの楽曲が完成する瞬間は⾔葉では⾔い表せない感動がある。曲のクライマックスで叫ぶように鳴るカンヒョンのギター。ファンの掛け声もばっちりで、『Regulus』の発売を記念したライブに相応しいパフォーマンスであった。

そして最後の MC。カンヒョン「遠いところ ONEWE を⾒に来て下さってありがとうございます。いつもONEWE を⾒に来て下さる⽅、忙しい中久しぶりに会いに来て下さる⽅、ファンの皆さんにとって⼤切な⼀⽇になったら良いなと思っています。」ハリン「今回⽇本で⼆度⽬のコンサートですが、何よりもファンの皆さんとステージを完成させることができて嬉しいです。」ドンミョン「今⽇は初めてコンサートした⽇を思い出していました。あの⽇が原動⼒になって活動を続けて来ました。今⽇も⼤切な⼀⽇になりました。ありがとうございます。」キア「毎⽇⾒に来て下さって嬉しいです。ありがとうございます。僕たちがお互いに⼒になれるような、励まし合えるような、そんな関係に発展させていきたいです。」ヨンフン「いつも思っていることですが、こうしてステージに⽴つことができるのは皆さんの存在のお陰です。僕が⾳楽をする理由になって下さってありがとうございます。」

エンディング MC に続けて披露したカバー曲。細かい⼿拍⼦が鳴り響き、メンバーはステージを動き回る。躍動感のあるサウンドに揺れる会場。ヨンフンがドラムセットのある⼀段⾼いステージに上がり、更に会場を盛り上げる。それに応えるように客席は⼤合唱。ファンと⼀つになり、ONEWE スタイルを⾒せつけた。2 曲⽬も爽快で弾けるようなステージを披露。ハリンが刻む軽快なリズムに疾⾛感が⾼まる。全員が⼿を振り、揺れる LED ライトブレスが眩しい。客席に降りてもっと、もっとと盛り上げるヨンフン。最後は全員で⾳を集めてボルテージ最⾼潮のまま本編が終了。

ヨンフン、カンヒョン、ドンミョン、キアの 4 ⼈がステージを後にし、残ったハリンがドラムでリズムを刻みながらアンコールを誘う。⼤きな声でアンコールが始まり、肌で感じることができるくらい⼀気に会場の温度が上がる。「皆さん⽴って!!」という声で始まったアンコール。全員が⽴ち上がり、⼿拍⼦に合わせて揺れる会場。刻むような細かいギターのサウンドが、ファンの⾝も⼼も跳ね上げさせる。そして会場のボルテージが最⾼潮に達した時、メンバーとファン、全員が ONEWE のポーズを⼿で⾼く掲げた。体の深いところまで響くベース⾳、メンバーとファンとの掛け合い、熱いステージ。ドンミョンの最初の挨拶、「今⽇も僕たちと⼀緒に燃えて下さい!」という⾔葉通り、ファンの⼼は確実に ONEWE によって燃やされていた。

アンコール 2 曲⽬は『HandClap』。特にファンから愛されている楽曲で、前奏から⼤興奮。題名通り、全員でハンドクラップ。現実を忘れて⾶び跳ねる。思いっきり揺れる会場に嬉しそうなメンバー。ラストを飾るのにぴったりの楽曲であった。キーが上がるにつれてどんどん盛り上がる会場。最後は⼀⼈残らず燃え尽き、最⾼のステージを締めくくった。

ONEWE JAPAN SPECIAL MINI LIVE 〜Regulus〜
2019 年 10 ⽉ 27 ⽇(⽇) @ LUMINE 0